早押し機職人・高畠操一さん(2) 「30数年で約150台の早押し機を作りました」
☆【2018/5/7更新】高畠さんより連絡があり、諸事情により早押し機の受注を一時中止しており、サイトも一時閉鎖しているとのことです。続報が入り次第更新します。
――「早押し機を作ろう」と考えたきっかけは何ですか?
もともと私は、ラジオ少年だったんです。小学生の頃は「子供の科学」などを見ながら、ごく簡単なラジオを作ったりして遊んでいました。中学・高校時代もこの趣味は続き、大学へ進む頃には、それなりの知識と工作力を身につけていたと思います。
その頃(中高生の頃)、早押し機を作ろうという発想はまったくありませんでした。周りにクイズ好きの友人がいなくて、一人寂しく「クイズグランプリ」などの本を読んでいたという状況ですから…。大学でクイズ研に入って、早押しクイズの楽しさを知った、という訳です。
その時使っていた早押し機は、クイズ研とは関係のない、工学部の学生に作ってもらったらしいのですが、ボタンとかが早押しに向いていないものが使われていたり、誤動作も多かった。ランプが同時に点いてしまったりとか。そこで、「俺が新しいのを作ってやる!」と作ったのが最初です。
――最初に作った早押し機は、どんなもので、どこのサークルで使われたものでしたか?また、現在関東では高畠さんの早押し機を使っているサークルが大半ですが、ご依頼が多数くるきっかけとなったのはどんなことでしたか?
前項で書きましたが、初めて作った早押し機は、自分の大学クイズ研の早押し機でした。ごくシンプルな6端子型。予算がほとんどなかった都合もありますが、わずか6端子でも、当時は十分だったのです。
学連委員になって、他大学のクイズ研と交流する機会が出来ましたが、どこのクイズ研も、早押し機調達には頭を痛めていました。今だったらおもちゃの早押し機を購入すれば凌げますが、当時はそんなものもありません。早押し機なしで活動しているところも少なくありませんでした。
そんな折、早押し機がなくて困っていたある大学クイズ研に、「僕が作ってあげようか?」と言ってしまったのがすべての始まり(笑)。その後は、あいつに頼めば作ってくれると、次第に口コミで広まっていったようです。
――これまで何台くらいの早押し機を作られましたか?また、最近では1年に何台くらいのペースで作られていますか?
自分の大学クイズ研用に、初めて作ったのが 1984 年。それから 30 数年がたちましたが、その間に 150 台くらいは作りました。
ここ数年は、だいたい年に 4~6 台くらいの製作でしょうか。
そういえば、2002年に関東ローカルで「天」というクイズ番組が放送されましたが、出場していたサークルの活動紹介VTRを見てビックリしました。ほとんどのサークルが、私が作った早押し機を使っていたんです!「ああ、そういえば、このサークルのも、あのサークルのも作ったなあ」と、自分自身で感心しちゃいました。
――早押し機にも色々な種類がありますが、高畠さん製の物はどんな種類がありますか?
ボタンが押されるとチャイムが鳴って、1番目に押した人(または2番目に押した人)のランプが光るという、きわめてシンプルなものを製作しています。
早押し機とは、一定の場所に設置して使うものではなく、持ち運んでいろいろな場所で使うものです。ボタン端子はバシバシ押され(叩かれ)、機械モノとしては、たいへん悪条件下で使用されるので、故障や誤動作を抑えるために、シンプルなものがベターだと考えます。
――早押し機を作るにあたって楽しい点、大変な点があれば教えてください。
楽しい点というのは、ありません(笑)。大変な点は、やはり納期。プレッシャーがかかります。
――早押し機のコードについては、どのような形で保存するのがいいのでしょうか。細かく折ると断線する、と伺ったことがあるのですが。。。
コード収納は、円状に巻く、あるいはゆるく8の字状に束ねるのがいいと思います。
キツく折り曲げて束ねたり、ボタン端子に巻き付けるのは断線しやすいので避けてください。
なお、ボタンの調子が悪くなったら、まずはコードを疑ってみてください。早押し機は使うたびにコードの引き回しを行うため、断線は非常に起こりやすいです。
コードは消耗品とお考えください。
早押し機の音は変更も可能。にしても前半の例が、なぜ……。
――「押した人によって音を変える」ことは可能でしょうか?(アタック25のように)
早押し機の効果音をサウンドボード(mp3などのサウンドファイルが再生できる装置)で鳴らすオプションを設けていますが、これを使った場合は早押し1着音と2着音を変えることができます。
しかし「押した人によって音を変える」のは、現状できません。
――(一度設定した)音を別のものに変更したい際はどうしたらいいでしょうか?
サウンドボードを使った場合、鳴らす効果音ファイル(mp3やwavなど)をあらかじめ送っていただきます。
もし後日、音を変更する場合は、私の方へ早押し機本体と変更する効果音ファイルを送っていただくことになります。
発注方法、今後の早押し機についてはまた次回にて!
【文責:神野芳治】
【早押し機職人・高畠操一さん】
(1) 「なんといっても決定的だったのは、『第1回アメリカ横断ウルトラクイズ』です」
(2) 「30数年で約150台の早押し機を作りました」(当記事)
(3) 「皆さんと共にある早押し機、末永くかわいがってやってください」
https://quiz-schedule.info/quizdo/?p=658https://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2017/06/hayab02a-1024x768.jpghttps://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2017/06/hayab02a-150x150.jpg早押し機早押し機製作☆【2018/5/7更新】高畠さんより連絡があり、諸事情により早押し機の受注を一時中止しており、サイトも一時閉鎖しているとのことです。続報が入り次第更新します。 ――「早押し機を作ろう」と考えたきっかけは何ですか? もともと私は、ラジオ少年だったんです。小学生の頃は「子供の科学」などを見ながら、ごく簡単なラジオを作ったりして遊んでいました。中学・高校時代もこの趣味は続き、大学へ進む頃には、それなりの知識と工作力を身につけていたと思います。 その頃(中高生の頃)、早押し機を作ろうという発想はまったくありませんでした。周りにクイズ好きの友人がいなくて、一人寂しく「クイズグランプリ」などの本を読んでいたという状況ですから…。大学でクイズ研に入って、早押しクイズの楽しさを知った、という訳です。 その時使っていた早押し機は、クイズ研とは関係のない、工学部の学生に作ってもらったらしいのですが、ボタンとかが早押しに向いていないものが使われていたり、誤動作も多かった。ランプが同時に点いてしまったりとか。そこで、「俺が新しいのを作ってやる!」と作ったのが最初です。 ――最初に作った早押し機は、どんなもので、どこのサークルで使われたものでしたか?また、現在関東では高畠さんの早押し機を使っているサークルが大半ですが、ご依頼が多数くるきっかけとなったのはどんなことでしたか? 前項で書きましたが、初めて作った早押し機は、自分の大学クイズ研の早押し機でした。ごくシンプルな6端子型。予算がほとんどなかった都合もありますが、わずか6端子でも、当時は十分だったのです。 学連委員になって、他大学のクイズ研と交流する機会が出来ましたが、どこのクイズ研も、早押し機調達には頭を痛めていました。今だったらおもちゃの早押し機を購入すれば凌げますが、当時はそんなものもありません。早押し機なしで活動しているところも少なくありませんでした。 そんな折、早押し機がなくて困っていたある大学クイズ研に、「僕が作ってあげようか?」と言ってしまったのがすべての始まり(笑)。その後は、あいつに頼めば作ってくれると、次第に口コミで広まっていったようです。 ――これまで何台くらいの早押し機を作られましたか?また、最近では1年に何台くらいのペースで作られていますか? 自分の大学クイズ研用に、初めて作ったのが 1984 年。それから 30 数年がたちましたが、その間に 150 台くらいは作りました。 ここ数年は、だいたい年に 4~6 台くらいの製作でしょうか。 そういえば、2002年に関東ローカルで「天」というクイズ番組が放送されましたが、出場していたサークルの活動紹介VTRを見てビックリしました。ほとんどのサークルが、私が作った早押し機を使っていたんです!「ああ、そういえば、このサークルのも、あのサークルのも作ったなあ」と、自分自身で感心しちゃいました。 ――早押し機にも色々な種類がありますが、高畠さん製の物はどんな種類がありますか? ボタンが押されるとチャイムが鳴って、1番目に押した人(または2番目に押した人)のランプが光るという、きわめてシンプルなものを製作しています。 早押し機とは、一定の場所に設置して使うものではなく、持ち運んでいろいろな場所で使うものです。ボタン端子はバシバシ押され(叩かれ)、機械モノとしては、たいへん悪条件下で使用されるので、故障や誤動作を抑えるために、シンプルなものがベターだと考えます。 ――早押し機を作るにあたって楽しい点、大変な点があれば教えてください。 楽しい点というのは、ありません(笑)。大変な点は、やはり納期。プレッシャーがかかります。 ――早押し機のコードについては、どのような形で保存するのがいいのでしょうか。細かく折ると断線する、と伺ったことがあるのですが。。。 コード収納は、円状に巻く、あるいはゆるく8の字状に束ねるのがいいと思います。 キツく折り曲げて束ねたり、ボタン端子に巻き付けるのは断線しやすいので避けてください。 なお、ボタンの調子が悪くなったら、まずはコードを疑ってみてください。早押し機は使うたびにコードの引き回しを行うため、断線は非常に起こりやすいです。 コードは消耗品とお考えください。 https://www.youtube.com/watch?v=A_qRofA-dLg&feature=youtu.be 早押し機の音は変更も可能。にしても前半の例が、なぜ……。 ――「押した人によって音を変える」ことは可能でしょうか?(アタック25のように) 早押し機の効果音をサウンドボード(mp3などのサウンドファイルが再生できる装置)で鳴らすオプションを設けていますが、これを使った場合は早押し1着音と2着音を変えることができます。 しかし「押した人によって音を変える」のは、現状できません。 ――(一度設定した)音を別のものに変更したい際はどうしたらいいでしょうか? サウンドボードを使った場合、鳴らす効果音ファイル(mp3やwavなど)をあらかじめ送っていただきます。 もし後日、音を変更する場合は、私の方へ早押し機本体と変更する効果音ファイルを送っていただくことになります。 発注方法、今後の早押し機についてはまた次回にて! 【文責:神野芳治】 【早押し機職人・高畠操一さん】 (1) 「なんといっても決定的だったのは、『第1回アメリカ横断ウルトラクイズ』です」 (2) 「30数年で約150台の早押し機を作りました」(当記事) (3) 「皆さんと共にある早押し機、末永くかわいがってやってください」quizdo quizdo2017@gmail.comAdministratorQuiz Do