ネットで行う「オンラインクイズ」の新機軸、第2回は「電脳世界杯」について取り上げます(第1回「歯車杯」の記事はこちら)。
2018年10月20日に第1回が開催され(問題集販売は「クイズ宅配便」にて。冊子版/電子版)、今年11月に第2回が開催されます。
オフラインクイズには「環境不利者の受け皿になる可能性がある」ことを謳って開催されたこの大会について、主催者のランプさんにお話しをお伺いしました。

なお、ランプさんには過去、ネットクイズサークル「酔っ払いのクイズ部」と、女性の初心者・中級者限定ネットサークル「CINDERELLA」で取材にご協力いただいています。こちらも併せてお読みください。

――第1回のスタッフはどのような形で集められましたか?

立ち上げということで、私のクイズ仲間に声をかけることから始めました。
なので、第一回大会のスタッフ陣はほとんど以前からの知り合いです。

――第1回は何人くらい参加されたのでしょうか?

ありがたいことに第一回開催にも関わらず104名の方々がご参加くださいました。

――第1回を通して、印象的なシーンがありましたら教えてください。

解答者100人以上が同時に挑戦するオンラインペーパークイズというなかなか前例を探すのが難しい試みを行いましたが、参加者の皆さんが冷静に臨んでくださったので、成功させることができました。強く印象に残っています。

100人以上のオンラインペーパークイズの結果、栄えあるペーパー1位は……

――第1回をやった上で、参加者の方から印象的な反応はありましたか?

開催後にTwitterで見かけたお話なのですが、なんらかの事情で長期間自宅からの外出が困難な方がご参加くださったようです。
「夢をみさせてもらった」と綴っておられ、とても嬉しく思いました。

――電脳世界杯をやってみよう、と思ったきっかけについては、公式アカウントのトップで書かれています(「電脳世界への招待」)。この文章の反応はいかがでしたか?

想像を遥に超える反響がありました。多くの方がこの文章を読んだ感想をツイートしてくれました。
中にはこの文章を自分の親に見せた中高生プレイヤーもいたようで、親御さんの感想なども私に教えてくれました。
公開するのに勇気が必要でしたが、今では皆さんに読んでいただけてよかったと思っています。

――「オンラインのクイズ大会」と「オフラインのクイズ大会」を比較して、異なる点(メリット/デメリット、省力化できた点/大変だった点、など)はありますか?
(この項については2名のスタッフの方にお伺いしました)

【第二回大会問題統括アペイロン】

メリット:
やはり移動が無いのが良いですね。オフラインだと当然ですが1か所に集まる必要があるので、特に遠方にいる人だとネックになる部分がオンラインだと解消できているのが良いと思います。参加者側としても同じことが言えると思います。
省略という点でいえばペーパーの採点が実質0分で終わることが大きいです。オフラインだとペーパーの採点が長引くことが多く、スタッフ側としても参加者側としてもネックになることが多いです。

デメリット:
オンライン故ですが、やはりネット回線の速度に依存する、突然切れたり回答者側のマイクの調子が悪いと正誤判定に困ったりすることです。回答者側もそうですが、前回のようにスタッフ側のパソコンの調子が悪くなると進行が止まってしまうのもネックです。こればかりはどうしようもないですが…大変だった点は、前述したとおり、回答が一部聞き取れなかったりすると判定に迷います。
問題に関しては、これもオンライン故ですがオフラインの時よりも押してから聞ける文字数が多くなる(ラグタイムがどうしても発生する)ため、いわゆる指勝負になる問題とそうでないフリで勝負させる問題の割合にはとても気を使っています。これに関してはオンラインでなくてもそうだとは思いますが、「とりあえず押せば勝てる」大会にはならないようにと努めています。

【第一回大会問読みつまさき】

メリット:
ペーパーの採点が一瞬で終わる点……リアルの大会だと結構時間がかかる点ですが、ここを削減できたので当日の進行が時間的・人員的にめちゃめちゃ楽になりました。
・自宅で運営できる点 家に居ながら運営できるため、会場を取る手間・費用がかかりません。
参加する側の楽さ……自宅でサッと参加できるため、時間的・金銭的負担がリアルの大会に比べかなり軽いです。 電脳世界杯が大会初参加という方も一定数いらっしゃいましたが、その方たちが参加する際のハードルはリアルの大会に参加する場合に比べてかなり低かったのではないかな…と考えています。

デメリット:
パソコンがポンコツだと事故る点……問い読みの僕は正誤判定担当者を家に呼んで顔を付き合わせて進行していたのですが、大会中盤に彼のpcの調子が悪くなり、正誤判定を行えなくなる事態に陥りました。当日は他のスタッフお陰でなんとか大会を終えられましたが、僕や他の人のpcもクラッシュしていた可能性もあり、思い返してもヒヤリとします。
通信状況が悪いと終わる点……当日何らかの問題で家の通信状況が悪くなると進行不能になります。 ネット大会を運営する場合はその辺の備えをきちんとしないとな…と。
お互いの顔が見られず、雰囲気がわからない点……リアルだと参加者の人たちが楽しめているか雰囲気で感じられるのですが、それがわからない点は難点だと思います。コメントでの反応は見られるのですが、リアルと比べるとラグもあり得られる情報量は少ないです。

第1回決勝の模様。いずれ劣らぬ強豪が覇を競う。

――第2回についてお伺いします。前回と異なる点はありますか?

大きな変更点としては、敗者復活の1st Stepを、3○1×から3択サバイバルクイズに変更したところと、3Rの時間制限をなくして問題数限定に変更したところです。
その他、3Rですべてのコース選択を行ってからクイズに移行するようにしたり、SFを矢継ぎ早に読まずに他のラウンドと同じように読むようにしたりと、進行上の変更をした箇所があります。
オンラインで行う大規模大会という非常に特殊な仕様に対応すべく、ノウハウを蓄積して最適化されたルールづくりを目指しています。

――「日時」や「参加するための手段」について教えてください。

日時 = 2019年11月17日(日) 開場10:00 / 開始11:00 / 終了18:00
エントリー期間 = 10月19日(土)19:00 ~ 大会前日11月16日(土)23:59
エントリー = 公式サイトをご参照ください

大会にはDiscord と PCOQ4 ver1.2.1dを使用します。お使いのPCにて事前に準備をお願いします。
導入方法は大会公式サイトに記載していますが、ご不明な点がある方は、運営本部までお気軽にお問い合わせください。
導入していただいたら、①エントリーフォームで必要事項を記入して送信し、②Discord上で運営本部宛にフレンド申請を送って、エントリー完了となります。
運営本部が承認後、特設会場へのご招待URLと認証コードをお送りします。当日はその特設会場でクイズを行います。

――その他、告知したい点がありましたらよろしくお願いします。

第二回大会が終了しましたら、クイズにおける環境不利者支援のプロジェクト「プロジェクトミケルセン」を本格始動したいと思っております。
視覚障がい者向けの問題集の制作などを進めていくつもりです。
この運動の立ち上げ資金は電脳世界杯の問題集販売で得たものです。今後の活動を温かく見守ってくださると幸いです。

――最後に、(電脳世界杯以外も含めて)読者の方にメッセージがありましたらよろしくお願いします。

クイズを楽しむ権利は、クイズを愛する者全てにあると思います。
全ての人に開かれたクイズ界を目指して、力を合わせて取り組んで参りましょう。今後ともよろしくお願いします!

――ありがとうございました!

【文責:神野芳治】

https://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2019/10/PLjd4IEl-large-1024x576.jpghttps://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2019/10/PLjd4IEl-large-150x150.jpgquizdo“やる”クイズリポートイベントリポートその他リポートネットで行う「オンラインクイズ」の新機軸、第2回は「電脳世界杯」について取り上げます(第1回「歯車杯」の記事はこちら)。 2018年10月20日に第1回が開催され(問題集販売は「クイズ宅配便」にて。冊子版/電子版)、今年11月に第2回が開催されます。 オフラインクイズには「環境不利者の受け皿になる可能性がある」ことを謳って開催されたこの大会について、主催者のランプさんにお話しをお伺いしました。 なお、ランプさんには過去、ネットクイズサークル「酔っ払いのクイズ部」と、女性の初心者・中級者限定ネットサークル「CINDERELLA」で取材にご協力いただいています。こちらも併せてお読みください。 https://twitter.com/dennousekaihai ――第1回のスタッフはどのような形で集められましたか? 立ち上げということで、私のクイズ仲間に声をかけることから始めました。 なので、第一回大会のスタッフ陣はほとんど以前からの知り合いです。 ――第1回は何人くらい参加されたのでしょうか? ありがたいことに第一回開催にも関わらず104名の方々がご参加くださいました。 ――第1回を通して、印象的なシーンがありましたら教えてください。 解答者100人以上が同時に挑戦するオンラインペーパークイズというなかなか前例を探すのが難しい試みを行いましたが、参加者の皆さんが冷静に臨んでくださったので、成功させることができました。強く印象に残っています。 ――第1回をやった上で、参加者の方から印象的な反応はありましたか? 開催後にTwitterで見かけたお話なのですが、なんらかの事情で長期間自宅からの外出が困難な方がご参加くださったようです。 「夢をみさせてもらった」と綴っておられ、とても嬉しく思いました。 ――電脳世界杯をやってみよう、と思ったきっかけについては、公式アカウントのトップで書かれています(「電脳世界への招待」)。この文章の反応はいかがでしたか? 想像を遥に超える反響がありました。多くの方がこの文章を読んだ感想をツイートしてくれました。 中にはこの文章を自分の親に見せた中高生プレイヤーもいたようで、親御さんの感想なども私に教えてくれました。 公開するのに勇気が必要でしたが、今では皆さんに読んでいただけてよかったと思っています。 ――「オンラインのクイズ大会」と「オフラインのクイズ大会」を比較して、異なる点(メリット/デメリット、省力化できた点/大変だった点、など)はありますか? (この項については2名のスタッフの方にお伺いしました) 【第二回大会問題統括アペイロン】 メリット: やはり移動が無いのが良いですね。オフラインだと当然ですが1か所に集まる必要があるので、特に遠方にいる人だとネックになる部分がオンラインだと解消できているのが良いと思います。参加者側としても同じことが言えると思います。 省略という点でいえばペーパーの採点が実質0分で終わることが大きいです。オフラインだとペーパーの採点が長引くことが多く、スタッフ側としても参加者側としてもネックになることが多いです。 デメリット: オンライン故ですが、やはりネット回線の速度に依存する、突然切れたり回答者側のマイクの調子が悪いと正誤判定に困ったりすることです。回答者側もそうですが、前回のようにスタッフ側のパソコンの調子が悪くなると進行が止まってしまうのもネックです。こればかりはどうしようもないですが…大変だった点は、前述したとおり、回答が一部聞き取れなかったりすると判定に迷います。 問題に関しては、これもオンライン故ですがオフラインの時よりも押してから聞ける文字数が多くなる(ラグタイムがどうしても発生する)ため、いわゆる指勝負になる問題とそうでないフリで勝負させる問題の割合にはとても気を使っています。これに関してはオンラインでなくてもそうだとは思いますが、「とりあえず押せば勝てる」大会にはならないようにと努めています。 【第一回大会問読みつまさき】 メリット: ・ペーパーの採点が一瞬で終わる点……リアルの大会だと結構時間がかかる点ですが、ここを削減できたので当日の進行が時間的・人員的にめちゃめちゃ楽になりました。 ・自宅で運営できる点 家に居ながら運営できるため、会場を取る手間・費用がかかりません。 ・参加する側の楽さ……自宅でサッと参加できるため、時間的・金銭的負担がリアルの大会に比べかなり軽いです。 電脳世界杯が大会初参加という方も一定数いらっしゃいましたが、その方たちが参加する際のハードルはリアルの大会に参加する場合に比べてかなり低かったのではないかな...と考えています。 デメリット: ・パソコンがポンコツだと事故る点……問い読みの僕は正誤判定担当者を家に呼んで顔を付き合わせて進行していたのですが、大会中盤に彼のpcの調子が悪くなり、正誤判定を行えなくなる事態に陥りました。当日は他のスタッフお陰でなんとか大会を終えられましたが、僕や他の人のpcもクラッシュしていた可能性もあり、思い返してもヒヤリとします。 ・通信状況が悪いと終わる点……当日何らかの問題で家の通信状況が悪くなると進行不能になります。 ネット大会を運営する場合はその辺の備えをきちんとしないとな...と。 ・お互いの顔が見られず、雰囲気がわからない点……リアルだと参加者の人たちが楽しめているか雰囲気で感じられるのですが、それがわからない点は難点だと思います。コメントでの反応は見られるのですが、リアルと比べるとラグもあり得られる情報量は少ないです。 ――第2回についてお伺いします。前回と異なる点はありますか? 大きな変更点としては、敗者復活の1st Stepを、3○1×から3択サバイバルクイズに変更したところと、3Rの時間制限をなくして問題数限定に変更したところです。 その他、3Rですべてのコース選択を行ってからクイズに移行するようにしたり、SFを矢継ぎ早に読まずに他のラウンドと同じように読むようにしたりと、進行上の変更をした箇所があります。 オンラインで行う大規模大会という非常に特殊な仕様に対応すべく、ノウハウを蓄積して最適化されたルールづくりを目指しています。 ――「日時」や「参加するための手段」について教えてください。 日時 = 2019年11月17日(日) 開場10:00 / 開始11:00 / 終了18:00 エントリー期間 = 10月19日(土)19:00 ~ 大会前日11月16日(土)23:59 エントリー = 公式サイトをご参照ください 大会にはDiscord と PCOQ4 ver1.2.1dを使用します。お使いのPCにて事前に準備をお願いします。 導入方法は大会公式サイトに記載していますが、ご不明な点がある方は、運営本部までお気軽にお問い合わせください。 導入していただいたら、①エントリーフォームで必要事項を記入して送信し、②Discord上で運営本部宛にフレンド申請を送って、エントリー完了となります。 運営本部が承認後、特設会場へのご招待URLと認証コードをお送りします。当日はその特設会場でクイズを行います。 ――その他、告知したい点がありましたらよろしくお願いします。 第二回大会が終了しましたら、クイズにおける環境不利者支援のプロジェクト「プロジェクトミケルセン」を本格始動したいと思っております。 視覚障がい者向けの問題集の制作などを進めていくつもりです。 この運動の立ち上げ資金は電脳世界杯の問題集販売で得たものです。今後の活動を温かく見守ってくださると幸いです。 ――最後に、(電脳世界杯以外も含めて)読者の方にメッセージがありましたらよろしくお願いします。 クイズを楽しむ権利は、クイズを愛する者全てにあると思います。 全ての人に開かれたクイズ界を目指して、力を合わせて取り組んで参りましょう。今後ともよろしくお願いします! ――ありがとうございました! 【文責:神野芳治】クイズに興味を持った方・初心者の方からベテランまで! ”やる”クイズ支援サイト