聖光学院中学・高校(1) 「うちにもクイズ研究会はあるんだ!」
今年5月、日本クイズ協会の神尾友也理事が「実現していきたい柱」として発表した「中高生クイズ活動の支援について」(前篇・後篇)は、さまざまな議論を呼びました。
「中高生は自分たちでクイズ文化を維持してきたのだから、顧問・協会のサポートは必要がない」という声もある中、「学校側に存在すら認められないクイズ研もある」「協会のサポートはプラスになりうる」という意見も挙がりました(まとめ記事をご参照ください)。
その意見の中で目立っていたのが、当時、聖光学院(横浜市)・現在は東京大学(TQC)の「なの」さんこと長吉博成さんでした(以下「なの」さん)。
だから当初クイズ協会が立ち上がった時、本当に嬉しかったんですよ。「ああ、これで、後輩達は堂々と、胸を張って、自分たちはクイズをやってるんです、真剣に楽しんでいるんですって言えるんだろうな、クイズ協会というお墨付きが先生達の理解を得る後ろ盾になるんだろうな」って。
— なの@ドイ語落単 (@54nano_fairy) May 13, 2017
『中高生が日本クイズ協会に求めているのは「公欠が取れるようになること」であって、正直そこ以外の社会的地位の向上とかはどっちでもいい感』
言わせてくれ。君たちがそれを求めているのは、それさえあればいいからなんかじゃあない。それ以外のものがもう十分すぎるほど与えられているからだよ。
— なの@ドイ語落単 (@54nano_fairy) May 13, 2017
『昔から現場、例会にはやる気ある中高生のクリエイティビティがうずまいてる。学校にクイズ研がなくたって、みんな自分なりの方法でやってきた。』
本当に羨ましいなあそんな環境がうちにあったらどれほど良かっただろか。現場、例会、元から縁も伝手もなければ第一歩すら踏み出せなかったんですよ
— なの@ドイ語落単 (@54nano_fairy) May 13, 2017
今回は、「学校側や他の生徒たちとの関係に最初は苦戦しながらも、現時点では公認の同好会となった」という聖光学院の経緯について、なのさんに話をTwitter経由で聞きました。
取材10分前、なのさんの
誠に遺憾ながら裸エプロンで焼きそば作ってる
— なの@ドイ語落単 (@54nano_fairy) June 3, 2017
……というツイートに記者が絶句しながらも、なのさんが焼きそばを食べ終わるのを待ち、いよいよ取材がスタートしました。
――まずなのさん自身について。クイズに興味を持ったきっかけってどんなところですか?
クイズ番組が最初だったと思います。3歳くらいの時から『IQサプリ』を見ていた記憶があり、かなり長いこと好きな番組だったので、その影響が大きいと思います。その時はまだ謎解きに近い方が好きでしたが、それ以降『アタック25』『クイズ$ミリオネア』『サルヂエ』『雑学王』や初期の『クイズ!ヘキサゴン』など、いろんな番組を好きになって行ったのがきっかけだったと思います。もっとも、僕は小学校のほとんどを海外で過ごしていて、あまり日本のテレビは見られなかったので、小学校に入るまでの話ですね。
――おおお海外。どこの国だったんですか? あと海外のテレビ番組の印象ってあります?
中国の上海でした。中国は各地のテレビ局の番組がどこでも見られて、チャンネルも100以上あり、中国語もまあまあわかるんですが、クイズチックな番組はほとんどありませんでした。今でも海外のクイズ番組といわれると『ミリオネア』と『ジェパディ!』くらいしかあまり存じ上げないですね……。あとは日本でもやっていた『2000万円落下クイズ! マネードロップ』の本家はイギリスのもの、というくらいの認識しかないです。
――で、小学6年生で帰国して聖光学院中学に入り、日本のクイズにまた触れる、と。
より競技チックなクイズに興味を持ったのは、書店で立ち読みした『ナナマルサンバツ』の第1話と、「知力の甲子園」時代の『高校生クイズ』ですね。どちらも中学1年(第31回・2011年)と2年(第32回・2012年)の頃でした。印象によく残っているのは開成・灘・船橋高校ですね。特に伊沢(拓司)さんと青木(寛泰)さん、それと水上(颯)さんは覚えていました。
――みんな後の東大(TQC)だ……。
『現在の中高クイ研ではかなり新入生への対応は十分な気がするよ』
そうか。僕は中3で「うちにもクイ研はあるんだ!もう8ヶ月も前から!」って知ったんですよ。同じ学校なのに。クイ研がない、でもクイズしたい。中3になったら兼部可能になるからって、本当に0からクイ研を作る気だったんですよ
— なの@ドイ語落単 (@54nano_fairy) May 13, 2017
……と書かれていましたが、クイズ研の存在を知ったのはどんなところがきっかけだったんでしょうか?
そうですね、学園祭の展示でクイズ研究会が展示をやっていたところで知りました。それまではバドミントン部に入ってました(親がバドミントンを好きだったのと、中国でバドミントンが盛んだったことが主な理由ですね)。うちの学校の学園祭は結構異質で、「趣味研」と呼ばれる様々な団体が自由に展示をできるんです。内容も多彩で、マジックを見せるものからカジノ体験、「ポケモンセンター」なんてものもあったんですが、クイズ研究会はそこで早押し機を使ってクイズをしていて、そこが初体験でした。それで惹きこまれたという感じですね。ただ、学校では「部活」とそれ以外の「公認団体」がかなりはっきりと分けられていたので、後者のクイズ研究会は存在すら知らないという感じでした。
――公認団体リストみたいなのが掲示されてたり冊子に載ってたりとか、そういうのはなかったんですね。。。
おそらく中1に渡された部活リストには載っていたのでしょうが、中3の自分にはあずかり知らぬところといいますか…。
――まあ中3はすでに部活入って活動してるわけだもんね。中1向けの一覧があっても目に届かないわけか……(公認団体になればいい、というものでもない。難しい!)。
いよいよなのさんがクイズ研に入ったところで、今回はここまで。
次回は創設当時の話をお伺いします!
【文責:神野芳治】
【聖光学院中学・高校】
(1) 「うちにもクイズ研究会はあるんだ!」(当記事)
(3) 「校長への直談判」+「地道な活動」+「実績」=「今」
(4) 「知人を増やす」「実績を味方に」「楽しみを忘れない」
(5) 「(学校は)公認団体の一つなので、『ルールを守れば好きにして良いよ』という扱いです」
https://quiz-schedule.info/quizdo/?p=726https://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2017/06/sdfasdff_TP_V-1024x682.jpghttps://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2017/06/sdfasdff_TP_V-150x150.jpg“やる”クイズリポートサークルリポート・中学・高校今年5月、日本クイズ協会の神尾友也理事が「実現していきたい柱」として発表した「中高生クイズ活動の支援について」(前篇・後篇)は、さまざまな議論を呼びました。 「中高生は自分たちでクイズ文化を維持してきたのだから、顧問・協会のサポートは必要がない」という声もある中、「学校側に存在すら認められないクイズ研もある」「協会のサポートはプラスになりうる」という意見も挙がりました(まとめ記事をご参照ください)。 その意見の中で目立っていたのが、当時、聖光学院(横浜市)・現在は東京大学(TQC)の「なの」さんこと長吉博成さんでした(以下「なの」さん)。 https://twitter.com/54nano_fairy/status/863436990506614785 https://twitter.com/54nano_fairy/status/863439362813419520 https://twitter.com/54nano_fairy/status/863440095470174208 今回は、「学校側や他の生徒たちとの関係に最初は苦戦しながらも、現時点では公認の同好会となった」という聖光学院の経緯について、なのさんに話をTwitter経由で聞きました。 取材10分前、なのさんの https://twitter.com/54nano_fairy/status/870970381783269376 ……というツイートに記者が絶句しながらも、なのさんが焼きそばを食べ終わるのを待ち、いよいよ取材がスタートしました。 ――まずなのさん自身について。クイズに興味を持ったきっかけってどんなところですか? クイズ番組が最初だったと思います。3歳くらいの時から『IQサプリ』を見ていた記憶があり、かなり長いこと好きな番組だったので、その影響が大きいと思います。その時はまだ謎解きに近い方が好きでしたが、それ以降『アタック25』『クイズ$ミリオネア』『サルヂエ』『雑学王』や初期の『クイズ!ヘキサゴン』など、いろんな番組を好きになって行ったのがきっかけだったと思います。もっとも、僕は小学校のほとんどを海外で過ごしていて、あまり日本のテレビは見られなかったので、小学校に入るまでの話ですね。 ――おおお海外。どこの国だったんですか? あと海外のテレビ番組の印象ってあります? 中国の上海でした。中国は各地のテレビ局の番組がどこでも見られて、チャンネルも100以上あり、中国語もまあまあわかるんですが、クイズチックな番組はほとんどありませんでした。今でも海外のクイズ番組といわれると『ミリオネア』と『ジェパディ!』くらいしかあまり存じ上げないですね……。あとは日本でもやっていた『2000万円落下クイズ! マネードロップ』の本家はイギリスのもの、というくらいの認識しかないです。 ――で、小学6年生で帰国して聖光学院中学に入り、日本のクイズにまた触れる、と。 より競技チックなクイズに興味を持ったのは、書店で立ち読みした『ナナマルサンバツ』の第1話と、「知力の甲子園」時代の『高校生クイズ』ですね。どちらも中学1年(第31回・2011年)と2年(第32回・2012年)の頃でした。印象によく残っているのは開成・灘・船橋高校ですね。特に伊沢(拓司)さんと青木(寛泰)さん、それと水上(颯)さんは覚えていました。 ――みんな後の東大(TQC)だ……。 https://twitter.com/54nano_fairy/status/863443408047677440 ……と書かれていましたが、クイズ研の存在を知ったのはどんなところがきっかけだったんでしょうか? そうですね、学園祭の展示でクイズ研究会が展示をやっていたところで知りました。それまではバドミントン部に入ってました(親がバドミントンを好きだったのと、中国でバドミントンが盛んだったことが主な理由ですね)。うちの学校の学園祭は結構異質で、「趣味研」と呼ばれる様々な団体が自由に展示をできるんです。内容も多彩で、マジックを見せるものからカジノ体験、「ポケモンセンター」なんてものもあったんですが、クイズ研究会はそこで早押し機を使ってクイズをしていて、そこが初体験でした。それで惹きこまれたという感じですね。ただ、学校では「部活」とそれ以外の「公認団体」がかなりはっきりと分けられていたので、後者のクイズ研究会は存在すら知らないという感じでした。 ――公認団体リストみたいなのが掲示されてたり冊子に載ってたりとか、そういうのはなかったんですね。。。 おそらく中1に渡された部活リストには載っていたのでしょうが、中3の自分にはあずかり知らぬところといいますか…。 ――まあ中3はすでに部活入って活動してるわけだもんね。中1向けの一覧があっても目に届かないわけか……(公認団体になればいい、というものでもない。難しい!)。 いよいよなのさんがクイズ研に入ったところで、今回はここまで。 次回は創設当時の話をお伺いします! 【文責:神野芳治】 【聖光学院中学・高校】 (1) 「うちにもクイズ研究会はあるんだ!」(当記事) (2) 「ピンポンブー4つじゃ足りないのはうれしい」 (3) 「校長への直談判」+「地道な活動」+「実績」=「今」 (4) 「知人を増やす」「実績を味方に」「楽しみを忘れない」 (5) 「(学校は)公認団体の一つなので、『ルールを守れば好きにして良いよ』という扱いです」quizdo quizdo2017@gmail.comAdministratorQuiz Do