――なのさんは高校時代も他校と接点があり、今はTQCで他のクイズ研卒の人と接点がさらに増えていると思います。
他のサークルの話と自分の経験を比べたとき、率直なお気持ちを教えてください。

全国大会だと、本当にいろんな人から話を聞けたのですが、「すごく恵まれているな」と感じる有名クイ研の方もいれば、スカクイ(Skypeというソフトを用いたネット上でのクイズ)から始まってボタンも自作した高専の方もいますし、あまりクイズが盛んでない地方からは本当に「普通の高校生」も来ていたので、十人十色だなあという感じですね。ここでの交流が将来の神奈川・中部の良好な関係のきっかけとなったり、大会での交流を通してクイズというものに興味を持っていった部分も大きかったと思います。大会をきっかけにクイズ界に足を踏み入れた人もたくさんいたので、やっぱり高校生クイズという大会はかなり影響力が大きいと感じました。

(TQCの)今の同期とは、やっぱり経験者だと高校にクイズ研究会があるという人が多く、うらやましいなあとよく感じていました。同期に限らず、関東の新興クイズ研究会との交流も多かったのですが、特に横浜翠嵐高校は部費が潤沢で、早押し機が2つもあるという話を聞いて、自分たちで会員から必死にお金を集めてかなり自腹も切って早押し機を購入した身としてはうらやましい限りです。やっぱり大会でできた繋がりが、ネット世界を通じて高校の間も大きな意味を持ったという側面もありますね。

撮影:ロバーツ

――そういう立場からすると、神尾理事の意思表明ってどうお感じなりました?差し支えない範囲で教えてください。
神尾先生については、Twitterで「中高生の現状を鑑みていない」「クイズ界のことを知らない」「クイズを愛していない」などと言われていましたが、個人的にはその逆で、しっかりと「クイズ」が部外者にはどう見えているか、その中でクイズをしようという中高生に何ができるか、という話をすごく丁寧になさっていると感じました。
例の文章に関しましても、クイズ研究会の内部からはあまり見えない構造的な問題や、スタートアップに関する点を取り上げられていたので、とても意義のあるお話だったと思います。もちろん、議論が拙速に過ぎるのではないかといった箇所や、実現可能性に関する問題点、意見の分かれるルールなど、確かに一概には肯けないものもありましたが、あくまで現状の内部からは見えない「障壁」とそれに対するひとつの「提案」を提示したという点で、まさにひざを打つ思いでした。

――「一概には肯けない」という点も含め同感です。一方で、神尾理事がまだ理解しきれていない「クイズ研究会外部からはあまり見えない、(クイズ研の)構造的な問題」もあるし、それをお互いが意見を出し合うところから始めてほしいですよね。拒絶・批判から入るのではなくて、まずお互いの立場を認識した上で、うまい着地点が見いだせればいいな、と。

――最後に。ご自分の経験から、「今、学校側や他の生徒の理解がなかなか得られず苦戦している」高校生たちに、何か一言言ってあげるとすれば、どんなことでしょうか?
まず「他校のクイズ研究会の人と繋がりを作ること。クイズ界の知り合いを増やしていけば頼れる人が見つかる」「向上心を忘れずに精進していけば、いつか実績を残せる。実績は味方になってくれる」ですね。なにより、「クイズを楽しむことを忘れないこと、クイズを辞めてしまわないこと」が一番だと思います。他にもかけてあげたいアドバイスはたくさんありますが、一言だけとなれば「とりあえず何かあったら僕に聞けばいいよ」ですね。

――ありがとうございました!

それでは現役の聖光クイズ研は現在どうなっているのでしょうか?次回掲載します。

【文責:神野芳治】


【聖光学院中学・高校】

(1)  「うちにもクイズ研究会はあるんだ!」

(2) 「ピンポンブー4つじゃ足りないのはうれしい」

(3) 「校長への直談判」+「地道な活動」+「実績」=「今」

(4)  「知人を増やす」「実績を味方に」「楽しみを忘れない」(当記事)

(5) 「(学校は)公認団体の一つなので、『ルールを守れば好きにして良いよ』という扱いです」

https://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2017/06/DSC_0044-1024x683.jpghttps://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2017/06/DSC_0044-150x150.jpgquizdo“やる”クイズリポートサークルリポート・中学・高校――なのさんは高校時代も他校と接点があり、今はTQCで他のクイズ研卒の人と接点がさらに増えていると思います。 他のサークルの話と自分の経験を比べたとき、率直なお気持ちを教えてください。 全国大会だと、本当にいろんな人から話を聞けたのですが、「すごく恵まれているな」と感じる有名クイ研の方もいれば、スカクイ(Skypeというソフトを用いたネット上でのクイズ)から始まってボタンも自作した高専の方もいますし、あまりクイズが盛んでない地方からは本当に「普通の高校生」も来ていたので、十人十色だなあという感じですね。ここでの交流が将来の神奈川・中部の良好な関係のきっかけとなったり、大会での交流を通してクイズというものに興味を持っていった部分も大きかったと思います。大会をきっかけにクイズ界に足を踏み入れた人もたくさんいたので、やっぱり高校生クイズという大会はかなり影響力が大きいと感じました。 (TQCの)今の同期とは、やっぱり経験者だと高校にクイズ研究会があるという人が多く、うらやましいなあとよく感じていました。同期に限らず、関東の新興クイズ研究会との交流も多かったのですが、特に横浜翠嵐高校は部費が潤沢で、早押し機が2つもあるという話を聞いて、自分たちで会員から必死にお金を集めてかなり自腹も切って早押し機を購入した身としてはうらやましい限りです。やっぱり大会でできた繋がりが、ネット世界を通じて高校の間も大きな意味を持ったという側面もありますね。 ――そういう立場からすると、神尾理事の意思表明ってどうお感じなりました?差し支えない範囲で教えてください。 神尾先生については、Twitterで「中高生の現状を鑑みていない」「クイズ界のことを知らない」「クイズを愛していない」などと言われていましたが、個人的にはその逆で、しっかりと「クイズ」が部外者にはどう見えているか、その中でクイズをしようという中高生に何ができるか、という話をすごく丁寧になさっていると感じました。 例の文章に関しましても、クイズ研究会の内部からはあまり見えない構造的な問題や、スタートアップに関する点を取り上げられていたので、とても意義のあるお話だったと思います。もちろん、議論が拙速に過ぎるのではないかといった箇所や、実現可能性に関する問題点、意見の分かれるルールなど、確かに一概には肯けないものもありましたが、あくまで現状の内部からは見えない「障壁」とそれに対するひとつの「提案」を提示したという点で、まさにひざを打つ思いでした。 ――「一概には肯けない」という点も含め同感です。一方で、神尾理事がまだ理解しきれていない「クイズ研究会外部からはあまり見えない、(クイズ研の)構造的な問題」もあるし、それをお互いが意見を出し合うところから始めてほしいですよね。拒絶・批判から入るのではなくて、まずお互いの立場を認識した上で、うまい着地点が見いだせればいいな、と。 ――最後に。ご自分の経験から、「今、学校側や他の生徒の理解がなかなか得られず苦戦している」高校生たちに、何か一言言ってあげるとすれば、どんなことでしょうか? まず「他校のクイズ研究会の人と繋がりを作ること。クイズ界の知り合いを増やしていけば頼れる人が見つかる」「向上心を忘れずに精進していけば、いつか実績を残せる。実績は味方になってくれる」ですね。なにより、「クイズを楽しむことを忘れないこと、クイズを辞めてしまわないこと」が一番だと思います。他にもかけてあげたいアドバイスはたくさんありますが、一言だけとなれば「とりあえず何かあったら僕に聞けばいいよ」ですね。 ――ありがとうございました! それでは現役の聖光クイズ研は現在どうなっているのでしょうか?次回掲載します。 【文責:神野芳治】 【聖光学院中学・高校】 (1)  「うちにもクイズ研究会はあるんだ!」 (2) 「ピンポンブー4つじゃ足りないのはうれしい」 (3) 「校長への直談判」+「地道な活動」+「実績」=「今」 (4)  「知人を増やす」「実績を味方に」「楽しみを忘れない」(当記事) (5) 「(学校は)公認団体の一つなので、『ルールを守れば好きにして良いよ』という扱いです」クイズに興味を持った方・初心者の方からベテランまで! ”やる”クイズ支援サイト