今年5月14日、あるツイートが話題を呼びました。

バラエティ番組では確かに「高齢者向けのクイズ」はありましたが、実際に「“やる”クイズ」としては私も聞いたことがなく、今後の高齢化社会を考えると非常に価値のある取り組みだと感じました。
今回、このツイートの主である前田就喬(まえだ・なりたか)さんに、お話をお伺いしました。


――まず、取材に応じて頂ける方ご自身についてお伺いします。もともとクイズに興味を持ったきっかけってどんなところだったんですか?

小学生の頃に『アメリカ横断ウルトラクイズ』を好んで観ていて、昔からクイズというものには興味を持っていましたが、実際にプレイをするようになったのは、3年前に古川洋平さんが主催されたイベント『はじめてのクイズ』でした
今はそのイベントを含め、クイズを通して知り合った方々とプレイを楽しみつつ、同時にクイズにおけるプレゼンター、オーガナイザー側にも楽しさを見いだし、いくつか企画・大会をやらせて頂いています。

――それでは、まず「高齢者向けのクイズ」をやろうと思ったきっかけを教えてください。

私が勤めている会社は教育関連と高齢者関連の事業があり、クイズを始める直前、私は高齢者向け住宅の営業を行っていました。そこで高齢者の皆さまや施設・デイサービスの現状を知りました。
それは「高齢者向けのレクレーションのプログラムが非常に少ない」ということです。施設で行う「レクリエーション」と呼ばれるコンテンツがどこも似たり寄ったりなんです。
もちろん職員さんの数に限りがあり、得意なスキルに依るところがあるのは重々承知しているのですが、絵を書く・ドリルを解く・折り紙をする・工作をする・簡単な体操をする・歌を歌う……。おぼろげながら、なんか「もうちょっと他に何かあるでしょう」とは思っていたところ、クイズに出会い「もしかしたら、これはイケるんじゃないかな」と感じました。

クイズにおける「物事を思い出し、指を動かし、声を出して回答し、注目を浴び、称賛される」……という一連の身体と心を刺激させる流れは、非常にADL(日常活動動作)向上に効果が見込めるのではないかと。とはいえ、そこにエビデンスがあるわけではないので、私の仮説を実証する意味でも、「“ボランティア”という形でまずはお試しにやってみませんか」と社内で話をしたところ、それを聞いた弊社のデイサービス担当が話を現場に繋げてくれて、実現に至りました。聞くに「たしかにそういう効果はあるかもしれないし、現場も新しいプログラムを探していたことろだった」ということで、渡りに船な面もあったのでしょう。

高齢者向けクイズの模様。

――問題はどのようにしして用意されたのでしょうか?

自作もありますし、市販や頒布されている問題集から拝借し、さらに簡単な問題にアレンジしたものもあります。この活動は、競技クイズ的な要素よりも、「物事を思い出し、指を動かし、~」からの一連の流れを感じていただくことが肝要なので。
さらに、平均年齢は88歳、そして女性の参加者が多いということで、ジャンルは生活や料理問題、言葉問題、当時の流行問題をメインとし、それを150問ほど持っていきました。

――問題以外の準備で、何か気をつけたことはありますでしょうか?

職員さんには「参加する方のお名前を事前に教えてください」とお願いしました。私が「おじいちゃん」「おばあちゃん」ではなくて、一個人として「○○さん」と呼ぶためです。
これは介護におけるコミュニケーション面で重要な事だと思います。お名前を呼んであげることで「尊厳を守る」というか、そこまでいかずとも、初対面の人間にお名前を呼ばれるのは、やはり嬉しいものでしょうから。

――今回はどのような企画を用意されたのでしょうか?

まずはペナルティなしで押して答えるという「体験」、そこからは2○で数人勝ち抜け、そこからさらに3○で優勝を決めるというような「ゲーム性」の2本柱でプログラムを組みました。
スルーになった問題は「誰か分かる方は?」といって見学の方々に解答を振って、みんなでワイワイ楽しめる形を作るようにしました。

次回は実際にやってみての、参加者の反応、前田さんの感想を伺います!

【文責;神野芳治】

https://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2018/06/nari01.jpghttps://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2018/06/nari01-150x150.jpgquizdo“やる”クイズリポートその他リポート今年5月14日、あるツイートが話題を呼びました。 https://twitter.com/ravemae/status/995959031586934784 https://twitter.com/ravemae/status/995959162176589824 バラエティ番組では確かに「高齢者向けのクイズ」はありましたが、実際に「“やる”クイズ」としては私も聞いたことがなく、今後の高齢化社会を考えると非常に価値のある取り組みだと感じました。 今回、このツイートの主である前田就喬(まえだ・なりたか)さんに、お話をお伺いしました。 ――まず、取材に応じて頂ける方ご自身についてお伺いします。もともとクイズに興味を持ったきっかけってどんなところだったんですか? 小学生の頃に『アメリカ横断ウルトラクイズ』を好んで観ていて、昔からクイズというものには興味を持っていましたが、実際にプレイをするようになったのは、3年前に古川洋平さんが主催されたイベント『はじめてのクイズ』でした。 今はそのイベントを含め、クイズを通して知り合った方々とプレイを楽しみつつ、同時にクイズにおけるプレゼンター、オーガナイザー側にも楽しさを見いだし、いくつか企画・大会をやらせて頂いています。 ――それでは、まず「高齢者向けのクイズ」をやろうと思ったきっかけを教えてください。 私が勤めている会社は教育関連と高齢者関連の事業があり、クイズを始める直前、私は高齢者向け住宅の営業を行っていました。そこで高齢者の皆さまや施設・デイサービスの現状を知りました。 それは「高齢者向けのレクレーションのプログラムが非常に少ない」ということです。施設で行う「レクリエーション」と呼ばれるコンテンツがどこも似たり寄ったりなんです。 もちろん職員さんの数に限りがあり、得意なスキルに依るところがあるのは重々承知しているのですが、絵を書く・ドリルを解く・折り紙をする・工作をする・簡単な体操をする・歌を歌う……。おぼろげながら、なんか「もうちょっと他に何かあるでしょう」とは思っていたところ、クイズに出会い「もしかしたら、これはイケるんじゃないかな」と感じました。 クイズにおける「物事を思い出し、指を動かし、声を出して回答し、注目を浴び、称賛される」……という一連の身体と心を刺激させる流れは、非常にADL(日常活動動作)向上に効果が見込めるのではないかと。とはいえ、そこにエビデンスがあるわけではないので、私の仮説を実証する意味でも、「“ボランティア”という形でまずはお試しにやってみませんか」と社内で話をしたところ、それを聞いた弊社のデイサービス担当が話を現場に繋げてくれて、実現に至りました。聞くに「たしかにそういう効果はあるかもしれないし、現場も新しいプログラムを探していたことろだった」ということで、渡りに船な面もあったのでしょう。 ――問題はどのようにしして用意されたのでしょうか? 自作もありますし、市販や頒布されている問題集から拝借し、さらに簡単な問題にアレンジしたものもあります。この活動は、競技クイズ的な要素よりも、「物事を思い出し、指を動かし、~」からの一連の流れを感じていただくことが肝要なので。 さらに、平均年齢は88歳、そして女性の参加者が多いということで、ジャンルは生活や料理問題、言葉問題、当時の流行問題をメインとし、それを150問ほど持っていきました。 ――問題以外の準備で、何か気をつけたことはありますでしょうか? 職員さんには「参加する方のお名前を事前に教えてください」とお願いしました。私が「おじいちゃん」「おばあちゃん」ではなくて、一個人として「○○さん」と呼ぶためです。 これは介護におけるコミュニケーション面で重要な事だと思います。お名前を呼んであげることで「尊厳を守る」というか、そこまでいかずとも、初対面の人間にお名前を呼ばれるのは、やはり嬉しいものでしょうから。 ――今回はどのような企画を用意されたのでしょうか? まずはペナルティなしで押して答えるという「体験」、そこからは2○で数人勝ち抜け、そこからさらに3○で優勝を決めるというような「ゲーム性」の2本柱でプログラムを組みました。 スルーになった問題は「誰か分かる方は?」といって見学の方々に解答を振って、みんなでワイワイ楽しめる形を作るようにしました。 次回は実際にやってみての、参加者の反応、前田さんの感想を伺います! 【文責;神野芳治】クイズに興味を持った方・初心者の方からベテランまで! ”やる”クイズ支援サイト