前回に引き続き、高齢者向けのクイズを行った前田就喬さんに話を伺いました。

――参加者の方の反応で、印象的なことがありましたら教えてください。

やっぱり「正解すると嬉しい」という気持ちはどの世代も共通なんだな、と。「楽しかった。3問も答えられた!」と報告してくれた方がいらっしゃったのは、純粋に嬉しかったです。
また、後で職員さんから「最近、ADL低下が顕著なご利用者さまが笑顔で正答されていて感動した」ということも伺い、私が考えていたことは概ね間違っていなかったと思いましたが、それと同時にとてもホッとしたのも正直なところです。ともすると、私の独り善がりな考えのせいで、皆さまにご迷惑をかけているのではとも心配していたので……。

クイズだけで言えば、当時の流行問題を出した際のリアクションが面白かったです。例えば「昭和初期に流行った、女性用の夏物簡易服のことを『裾がパッと拡がる』という意味から何というでしょう?(答:アッパッパ)」という問題では「『アッパッパ』ってあったわね、懐かしい」とか、「昭和30年代に大流行したものの、腸捻転になるという噂が立った遊びは何でしょう?(答:フラフープ)」という問題では「私、そんなこと聞いたことないわよ」と言われたり(笑)。その時代でなくては分からない空気感を、私も少しだけ味わうことができました。

――今後、高齢者向けのクイズとして、(前田さん以外の方がやられるにしても)どのような展開ができそうか、もしありましたら教えてください。

一番やりたいのは、お医者さまや研究者の方へ、このようなクイズを利用した高齢者のADL向上について、きちんとしたエビデンスが示せるのか伺ってみたいです。それがあれば今後も「こういう効果が期待できます」ということで、さまざまな場面でアプローチができますし、高齢者向け訪問サービスのひとつとしての展開も可能です。
また、この話を聞いた弊社の学童保育施設が「次は子ども向けでお願いできないか」ともお願いされてきたので、この夏は4施設ほど周って、子どもに対して同様のレクレーションを行い、「アクティブ・ラーニングとしてのクイズ」の面白さをアピールしていきます。それについてもまたどこかの機会でお話ができれば。

これが発展すれば、高齢者と子どもの多世代交流にもクイズが利用できるのではないでしょうか。こういう社会的活動が世間に広まれば、「クイズ」の新しい魅力やパワーを作ることにも繋がると思います。

高齢者向けクイズの模様。

――実際やってみて、普段のクイズと比べ「高齢者の方にクイズを出すときに、気をつけた方がいいこと」がありましたら教えてください。

会話はゆっくり・はっきりと行うことが大事です。問読みも一文節ごとに区切ったり、難しい言葉はあえてもう一度言い換えたりして「正解していただく」ために、出題側ができる限りのことをしましょう。
また、全員に目を配り、全員に話を振るということも重要です。答えられない方がいらっしゃっても「大丈夫ですよ。きちんと見ていますよ」ということは、答えた方への「よくできました」のケアと同じくらい、いや、それ以上に大事かもしれません。それによって多少進行が脱線しても構いません。そもそも進行者が全員と何かしらのコミュニケーションを取らなければ、それはレクリエーションとしては失敗だと思っていますから。

もし、これを読んでいらっしゃる高齢者施設や教育機関の関係者の方で、興味がある方がいらっしゃれば、Twitterなりでご連絡いただければ、できる限りご協力させていただきたいと思っています。

――ありがとうございました!

子ども向けクイズも、(少子化で人数は減るとはいえ、一人あたりの教員がむしろ熱心に、かつ多様化している現在)可能性は非常に高いと思います。次の前田さんのアクションを楽しみにしております!

【文責;神野芳治】

https://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2018/06/nari02.jpghttps://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2018/06/nari02-150x150.jpgquizdo“やる”クイズリポートその他リポート前回に引き続き、高齢者向けのクイズを行った前田就喬さんに話を伺いました。 ――参加者の方の反応で、印象的なことがありましたら教えてください。 やっぱり「正解すると嬉しい」という気持ちはどの世代も共通なんだな、と。「楽しかった。3問も答えられた!」と報告してくれた方がいらっしゃったのは、純粋に嬉しかったです。 また、後で職員さんから「最近、ADL低下が顕著なご利用者さまが笑顔で正答されていて感動した」ということも伺い、私が考えていたことは概ね間違っていなかったと思いましたが、それと同時にとてもホッとしたのも正直なところです。ともすると、私の独り善がりな考えのせいで、皆さまにご迷惑をかけているのではとも心配していたので……。 クイズだけで言えば、当時の流行問題を出した際のリアクションが面白かったです。例えば「昭和初期に流行った、女性用の夏物簡易服のことを『裾がパッと拡がる』という意味から何というでしょう?(答:アッパッパ)」という問題では「『アッパッパ』ってあったわね、懐かしい」とか、「昭和30年代に大流行したものの、腸捻転になるという噂が立った遊びは何でしょう?(答:フラフープ)」という問題では「私、そんなこと聞いたことないわよ」と言われたり(笑)。その時代でなくては分からない空気感を、私も少しだけ味わうことができました。 ――今後、高齢者向けのクイズとして、(前田さん以外の方がやられるにしても)どのような展開ができそうか、もしありましたら教えてください。 一番やりたいのは、お医者さまや研究者の方へ、このようなクイズを利用した高齢者のADL向上について、きちんとしたエビデンスが示せるのか伺ってみたいです。それがあれば今後も「こういう効果が期待できます」ということで、さまざまな場面でアプローチができますし、高齢者向け訪問サービスのひとつとしての展開も可能です。 また、この話を聞いた弊社の学童保育施設が「次は子ども向けでお願いできないか」ともお願いされてきたので、この夏は4施設ほど周って、子どもに対して同様のレクレーションを行い、「アクティブ・ラーニングとしてのクイズ」の面白さをアピールしていきます。それについてもまたどこかの機会でお話ができれば。 これが発展すれば、高齢者と子どもの多世代交流にもクイズが利用できるのではないでしょうか。こういう社会的活動が世間に広まれば、「クイズ」の新しい魅力やパワーを作ることにも繋がると思います。 ――実際やってみて、普段のクイズと比べ「高齢者の方にクイズを出すときに、気をつけた方がいいこと」がありましたら教えてください。 会話はゆっくり・はっきりと行うことが大事です。問読みも一文節ごとに区切ったり、難しい言葉はあえてもう一度言い換えたりして「正解していただく」ために、出題側ができる限りのことをしましょう。 また、全員に目を配り、全員に話を振るということも重要です。答えられない方がいらっしゃっても「大丈夫ですよ。きちんと見ていますよ」ということは、答えた方への「よくできました」のケアと同じくらい、いや、それ以上に大事かもしれません。それによって多少進行が脱線しても構いません。そもそも進行者が全員と何かしらのコミュニケーションを取らなければ、それはレクリエーションとしては失敗だと思っていますから。 もし、これを読んでいらっしゃる高齢者施設や教育機関の関係者の方で、興味がある方がいらっしゃれば、Twitterなりでご連絡いただければ、できる限りご協力させていただきたいと思っています。 ――ありがとうございました! 子ども向けクイズも、(少子化で人数は減るとはいえ、一人あたりの教員がむしろ熱心に、かつ多様化している現在)可能性は非常に高いと思います。次の前田さんのアクションを楽しみにしております! 【文責;神野芳治】クイズに興味を持った方・初心者の方からベテランまで! ”やる”クイズ支援サイト