『解神2018』について、引き続き「さやちぃ」さん(優勝者)と、「おめ」さん(初参加ながら解神ラウンドの対決トーナメントに進出)にお話を伺いました。
なお、前回の記事はこちら

――早解きの面白さや怖さというものはあるでしょうか。

【さやちぃ】 まぁ、そうですね……。特にやっぱり今回の中でいうと「早押しが怖い」ですね。

――「早押しが怖い」とは?

【さやちぃ】 1回間違えたら失格になっちゃうってシステムなので、何とか早押しのところには行きたくないって思ってやっていたので、最初(勝鬨ラウンドで)19点取れて、2位でもう一気に解神ラウンドに行けたのがよかったんですけど。

――あぁ……。

【さやちぃ】 ただ、結局サドンデスにまき込まれて「あぁ、またか…」ってなったんですけど、そこで相手が間違えたってのも。相手が誤答だったから良かったとはいえ、「(早)押し」という意味では、押せていない段階で「負けた」わけで。もうまったく分からなかった、まったく何も思い浮かばなかった状態で押されて、「これはもう負けたな」って思ったところで決勝進出しちゃったんで。そういう意味では、相手が負けたって意味でも、やっぱり怖い面があったのかなっていう感じです。

さやちぃさんはこのコメントの場面(トーナメントの2回戦)以外でも過去に何度もサドンデスになっているのですが、自らボタンを押して解答権を取られたことがないそうです。

――おめさんは、早解きの面白さや怖さをどう感じられましたか。

【おめ】 面白さってのは、やっぱりそのノッてると、かなりスイスイ進んでいってもう「俺は最強だ」みたいになると思うんですが、出てこないモードに入ると全然出てこないんですよ。

――その切り替わった瞬間がものすごく怖い。

【おめ】 あと、決勝の解神ラウンドの形式だと、パスしてるともうどんどん悪いモードに入っていっちゃって…ってのもあると思います。

――そういう心理的な部分もあるんですね。

【おめ】 そういう心理的な部分は、優勝した人に聞いたほうがもっといろいろ語っていただける部分があるんじゃないかと思うんですけど……。

【さやちぃ】 たしかにあの決勝の解神ラウンドだと、ほとんど時間かからないですぐ解ける問題も結構あるんですけど、やはり全然思いつかない問題ってのがあって、そういう問題ってなんとなく「飛ばすと次もそういう問題」な気がしちゃうんですよね。やっぱり「飛ばしたら次にはきっと解ける問題がある」って思えばすぐ飛ばせるんですけど、「飛ばしてもやっぱり解けないんじゃないか」っていうのがどっかにあるんですよね。それでちょっと飛ばすのも怖い、ってのがあります。

今回の大会で使った謎が収められている問題集。現在では『abc』に近い「希望者は大会当日に入手できる頒布体制」ができ上がっています。販売先についてはこちらをご参照ください。

――では、お2人に。『解神』という舞台はあなたにとってどんなものになりましたか?

【さやちぃ】 うーん、何だろ。難しいな。まあ、1位になったんで言うと、もう「自分の力を最大限に出せた場所だったんじゃないかな」と思いますよね。

――初参加だったおめさんにとってはどうでしたか?

【おめ】 あの勝鬨ラウンドのサドンデスで押せて「おお、とりあえずは目立てたぞ」みたいな感じになれて。いきなり勝鬨ラウンドで落ちてしまってその後で何もできなくて見てるだけってよりは、結構いっぱい参加できて解神って形式にも参加できたんで、結構面白かったです。

――クイズでは考えることの楽しさって部分があるんですが、「謎解き」という分野の視点で結構ですので、「考えることの楽しさ」を教えてください。

【さやちぃ】 考えてる時ってもう本当に悩んで悩んでどうしようもなくなることってのもあるんですけど、やっぱりどの問題にも答えはちゃんとあるので、その瞬間が見えたときっていうのが……。その瞬間のために考える。中には、そんなに考えないで終わっちゃう問題もありますけど、考えるってのはそのためにあるんだろうな、という感じがします。

――おめさんはどうでしょう。

【おめ】 考えてる時ってのはだいたい問題に詰まってて苦しい時なんで……。なんか、分かるときはもうすっと「ああなるほど、そういうことね」って感じで突然入ってくるんです。考える、っていうよりは。その楽しさがあるのかなって。

【さやちぃ】 謎解きでいうとホントに考えてない方が、考えないで終わっちゃったほうがすぐ次に取り掛かれるんで、気持ち的にも楽になると思うんですけど……考えれば答えが出ることもあるってのが面白いところでもあるかな、と思いますね。

――今回はありがとうございました。

私は今回、取材と同時に、ひとりの参加者として出題された謎に挑んできました。インタビューさせていただいたお2人が言われていたように、見た瞬間に概要を把握できたものもあれば、地道に段階を積み重ねて答えの姿が見えてくるものもありました。そんな中で、普段のQuiz Doで扱っている「知識を主に使うクイズ」とはすべてが同一ではないのですが、答えを出して戦っていくという点では、知識を主に使うクイズに負けず劣らずの熱い勝負が繰り広げられていき、感嘆や驚愕の声が盛んに上がっていました。

分野が変わると、まだクイズの世界では知られてはいなくとも、優れた考える力の持ち主はいろんなところにいらっしゃって、知識を主に使うクイズとは違った視点で考えるということを見ていらっしゃる、ということを教えていただけたな、と感じました。

【文責:戸屋利章】

https://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2018/05/DSC_0197-576x1024.jpghttps://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2018/05/DSC_0197-150x150.jpgquizdo“やる”クイズリポートイベントリポート『解神2018』について、引き続き「さやちぃ」さん(優勝者)と、「おめ」さん(初参加ながら解神ラウンドの対決トーナメントに進出)にお話を伺いました。 なお、前回の記事はこちら。 ――早解きの面白さや怖さというものはあるでしょうか。 【さやちぃ】 まぁ、そうですね……。特にやっぱり今回の中でいうと「早押しが怖い」ですね。 ――「早押しが怖い」とは? 【さやちぃ】 1回間違えたら失格になっちゃうってシステムなので、何とか早押しのところには行きたくないって思ってやっていたので、最初(勝鬨ラウンドで)19点取れて、2位でもう一気に解神ラウンドに行けたのがよかったんですけど。 ――あぁ……。 【さやちぃ】 ただ、結局サドンデスにまき込まれて「あぁ、またか…」ってなったんですけど、そこで相手が間違えたってのも。相手が誤答だったから良かったとはいえ、「(早)押し」という意味では、押せていない段階で「負けた」わけで。もうまったく分からなかった、まったく何も思い浮かばなかった状態で押されて、「これはもう負けたな」って思ったところで決勝進出しちゃったんで。そういう意味では、相手が負けたって意味でも、やっぱり怖い面があったのかなっていう感じです。 さやちぃさんはこのコメントの場面(トーナメントの2回戦)以外でも過去に何度もサドンデスになっているのですが、自らボタンを押して解答権を取られたことがないそうです。 ――おめさんは、早解きの面白さや怖さをどう感じられましたか。 【おめ】 面白さってのは、やっぱりそのノッてると、かなりスイスイ進んでいってもう「俺は最強だ」みたいになると思うんですが、出てこないモードに入ると全然出てこないんですよ。 ――その切り替わった瞬間がものすごく怖い。 【おめ】 あと、決勝の解神ラウンドの形式だと、パスしてるともうどんどん悪いモードに入っていっちゃって…ってのもあると思います。 ――そういう心理的な部分もあるんですね。 【おめ】 そういう心理的な部分は、優勝した人に聞いたほうがもっといろいろ語っていただける部分があるんじゃないかと思うんですけど……。 【さやちぃ】 たしかにあの決勝の解神ラウンドだと、ほとんど時間かからないですぐ解ける問題も結構あるんですけど、やはり全然思いつかない問題ってのがあって、そういう問題ってなんとなく「飛ばすと次もそういう問題」な気がしちゃうんですよね。やっぱり「飛ばしたら次にはきっと解ける問題がある」って思えばすぐ飛ばせるんですけど、「飛ばしてもやっぱり解けないんじゃないか」っていうのがどっかにあるんですよね。それでちょっと飛ばすのも怖い、ってのがあります。 ――では、お2人に。『解神』という舞台はあなたにとってどんなものになりましたか? 【さやちぃ】 うーん、何だろ。難しいな。まあ、1位になったんで言うと、もう「自分の力を最大限に出せた場所だったんじゃないかな」と思いますよね。 ――初参加だったおめさんにとってはどうでしたか? 【おめ】 あの勝鬨ラウンドのサドンデスで押せて「おお、とりあえずは目立てたぞ」みたいな感じになれて。いきなり勝鬨ラウンドで落ちてしまってその後で何もできなくて見てるだけってよりは、結構いっぱい参加できて解神って形式にも参加できたんで、結構面白かったです。 ――クイズでは考えることの楽しさって部分があるんですが、「謎解き」という分野の視点で結構ですので、「考えることの楽しさ」を教えてください。 【さやちぃ】 考えてる時ってもう本当に悩んで悩んでどうしようもなくなることってのもあるんですけど、やっぱりどの問題にも答えはちゃんとあるので、その瞬間が見えたときっていうのが……。その瞬間のために考える。中には、そんなに考えないで終わっちゃう問題もありますけど、考えるってのはそのためにあるんだろうな、という感じがします。 ――おめさんはどうでしょう。 【おめ】 考えてる時ってのはだいたい問題に詰まってて苦しい時なんで……。なんか、分かるときはもうすっと「ああなるほど、そういうことね」って感じで突然入ってくるんです。考える、っていうよりは。その楽しさがあるのかなって。 【さやちぃ】 謎解きでいうとホントに考えてない方が、考えないで終わっちゃったほうがすぐ次に取り掛かれるんで、気持ち的にも楽になると思うんですけど……考えれば答えが出ることもあるってのが面白いところでもあるかな、と思いますね。 ――今回はありがとうございました。 私は今回、取材と同時に、ひとりの参加者として出題された謎に挑んできました。インタビューさせていただいたお2人が言われていたように、見た瞬間に概要を把握できたものもあれば、地道に段階を積み重ねて答えの姿が見えてくるものもありました。そんな中で、普段のQuiz Doで扱っている「知識を主に使うクイズ」とはすべてが同一ではないのですが、答えを出して戦っていくという点では、知識を主に使うクイズに負けず劣らずの熱い勝負が繰り広げられていき、感嘆や驚愕の声が盛んに上がっていました。 分野が変わると、まだクイズの世界では知られてはいなくとも、優れた考える力の持ち主はいろんなところにいらっしゃって、知識を主に使うクイズとは違った視点で考えるということを見ていらっしゃる、ということを教えていただけたな、と感じました。 【文責:戸屋利章】クイズに興味を持った方・初心者の方からベテランまで! ”やる”クイズ支援サイト