クイズの全国リーグ『プレAQL』、市川尚志会長へのインタビュー第2回です。
第1回第2回、および日本経済新聞様のサイトもあわせてお読み頂ければ幸いです。

――地域自治に続いて、形式についてお伺いします。
『AQL』全国展開の基本ルールとなった「コバトンナイン方式」「10by10by10mini(AQL公式ルール)」について、市川さんの思いを教えてください。

「コバトンナイン方式」「10by10by10mini(AQL公式ルール)」については、埼玉の「コバトンカップ」で試行錯誤しながら6回運用をしてきて、たどり着いた方式でした。形式の特徴、メリットなどはこちらの記事を参考にしてください。
「コバトンナイン方式」の一番自分が気に入っているところは「全団体が持ち寄った問題を、(失格しない限り)全員が早押しで挑戦できる」ことです。もちろん、いろいろな問題が混じることになりますが、やっぱり各団体が工夫して用意した問題に全員参加したいでしょうし、そういう出題のキャッチボールが地域交流につながると思っています。

私自身は全く知らなかったのですが、アメリカのクイズ団体ACF(リンク先の(2)参照)が主催するクイズ大会では、参加チームが問題を用意する必要がある方式をとっているとのことです。知らず知らずにクイズの世界団体もやるような運営を、日本独自でやってい……たということになるのでしょうね。
「10by10by10mini(AQL公式ルール)」については、過去6回のコバトンカップや姉妹大会の「U29クイズサークルチャンピオンシップ」で何度もルールの細かい変更を繰り返してきましたが、今のバランスはさまざまな実力のメンバーが入り混じることの多い団体戦にふさわしい形式に仕上がったと思っています。「個人」としては誤答で0ポイントに戻る“アップダウンルール”ですから、点を伸ばした実力者も、誤答したらあっという間にチームがピンチに陥ります。この実力者へのプレッシャーが、結果的に初心者でもボタンを押せるチャンスにつながってくれています。

誤答すると一気にピンチになるのがこのルールの怖いところ。

私としては「コバトンナイン方式」「10by10by10mini」は、「地域交流フリバをうまくやるためのひとつの形」でもあると思っています(フリバ:早押しクイズを気軽に押し合うことを意味する業界用語。フリーバッティングの略)。おそらく適当に全員で7〇3×をやるより、広い実力分布の人が同時に早押しクイズの勝負を楽しめるんじゃないか……と自分は思っています。
もちろん、本ルールを全地域に押し付けるつもりはないのですが、多くの地域で採用していただけたのは嬉しかったですね。

――AQL全国大会では、オープン大会史上初ともいえる、本格的なネット中継を実施しました。

本当にこれは『クイズLIVEチャンネル』さんの協力があってこそでした。今回の中継実施ですが、クイズLIVEチャンネルさんにとっては外部会場での生中継実施はいろいろとお金がかかるらしく、大赤字のリスクが高かったそうです。ですが、佐々木康彦さんが「赤字が出たら全部自分が責任を取る」と内々に説得していたことが、後からわかってビックリしました。本当にありがたいことです。
事前番組は楽しかったですが、大変でしたね。僕らはテレビマンでもYouTuberでもない中、進行表やらパワーポイント(東海リーグ代表に素晴らしいものを作っていただきました!)やらは全て手作り。オンエア中「豪華な抽選箱」と煽られていた箱は100均で購入したものです(苦笑)。でも、最後の最後は、YouTubeで百戦錬磨の伊沢君が見事にまとめきってくれましたね。

全国大会も苦労の連続でした。限られた予算、限られたリソースの中で、それなりのきちんとした放送を成立させるのは簡単ではありませんでした。特に当日まで音響面にリスクがあると人数を増員して挑み、ある程度うまくいったと思っていたものの、いざオンエアになった時にパソコン側の設定の問題で音が出なかったときは、顔が真っ青になりました。この点はスタッフの方々の工夫で何とかなり、本当に感謝しています。

クイズLIVEチャンネルでの生中継。音声トラブルもありつつ、一つの成果を残した。なお準備中につき手前はまだ麻雀……(奥の画面がAQLです)。

また、出場者がニコニコ動画のコメント欄で誹謗中傷されることだけは本当に避けたくて、事前番組でもそのお願いをさせていただきましたが、無事大きな問題がなく終わって、本当に良かったです。クイズLIVEチャンネルさんの視聴者のモラルの高さと、応援してくださった皆さまに本当に助けられました。

最終的には視聴数2000超と、この手の番組としては相当がんばった数値を出すことができました。AQLとしては本動画で今後お金を頂く契約は結んでいませんが、最低限クイズLIVEチャンネルさんの赤字が解消されるよう、今後アーカイブのビュー数が伸びてほしいと考えております。これがうまく人気コンテンツになるようなら、今後CSやBS、地上波でのクイズ大会中継にもつながっていけばと思っています。

――全国大会の放送も、無事成功してよかったです!今後のクイズ中継のきっかけになればいいですね!

最終回では、今後のAQLの展望についてお伺いします!

【文責:神野芳治】

https://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2018/04/IMG_0081-1024x682.jpghttps://quiz-schedule.info/quizdo/wp-content/uploads/2018/04/IMG_0081-150x150.jpgquizdo“やる”クイズリポートイベントリポートクイズの全国リーグ『プレAQL』、市川尚志会長へのインタビュー第2回です。 第1回、第2回、および日本経済新聞様のサイトもあわせてお読み頂ければ幸いです。 ――地域自治に続いて、形式についてお伺いします。 『AQL』全国展開の基本ルールとなった「コバトンナイン方式」「10by10by10mini(AQL公式ルール)」について、市川さんの思いを教えてください。 「コバトンナイン方式」「10by10by10mini(AQL公式ルール)」については、埼玉の「コバトンカップ」で試行錯誤しながら6回運用をしてきて、たどり着いた方式でした。形式の特徴、メリットなどはこちらの記事を参考にしてください。 「コバトンナイン方式」の一番自分が気に入っているところは「全団体が持ち寄った問題を、(失格しない限り)全員が早押しで挑戦できる」ことです。もちろん、いろいろな問題が混じることになりますが、やっぱり各団体が工夫して用意した問題に全員参加したいでしょうし、そういう出題のキャッチボールが地域交流につながると思っています。 私自身は全く知らなかったのですが、アメリカのクイズ団体ACF(リンク先の(2)参照)が主催するクイズ大会では、参加チームが問題を用意する必要がある方式をとっているとのことです。知らず知らずにクイズの世界団体もやるような運営を、日本独自でやってい……たということになるのでしょうね。 「10by10by10mini(AQL公式ルール)」については、過去6回のコバトンカップや姉妹大会の「U29クイズサークルチャンピオンシップ」で何度もルールの細かい変更を繰り返してきましたが、今のバランスはさまざまな実力のメンバーが入り混じることの多い団体戦にふさわしい形式に仕上がったと思っています。「個人」としては誤答で0ポイントに戻る“アップダウンルール”ですから、点を伸ばした実力者も、誤答したらあっという間にチームがピンチに陥ります。この実力者へのプレッシャーが、結果的に初心者でもボタンを押せるチャンスにつながってくれています。 私としては「コバトンナイン方式」「10by10by10mini」は、「地域交流フリバをうまくやるためのひとつの形」でもあると思っています(フリバ:早押しクイズを気軽に押し合うことを意味する業界用語。フリーバッティングの略)。おそらく適当に全員で7〇3×をやるより、広い実力分布の人が同時に早押しクイズの勝負を楽しめるんじゃないか……と自分は思っています。 もちろん、本ルールを全地域に押し付けるつもりはないのですが、多くの地域で採用していただけたのは嬉しかったですね。 ――AQL全国大会では、オープン大会史上初ともいえる、本格的なネット中継を実施しました。 本当にこれは『クイズLIVEチャンネル』さんの協力があってこそでした。今回の中継実施ですが、クイズLIVEチャンネルさんにとっては外部会場での生中継実施はいろいろとお金がかかるらしく、大赤字のリスクが高かったそうです。ですが、佐々木康彦さんが「赤字が出たら全部自分が責任を取る」と内々に説得していたことが、後からわかってビックリしました。本当にありがたいことです。 事前番組は楽しかったですが、大変でしたね。僕らはテレビマンでもYouTuberでもない中、進行表やらパワーポイント(東海リーグ代表に素晴らしいものを作っていただきました!)やらは全て手作り。オンエア中「豪華な抽選箱」と煽られていた箱は100均で購入したものです(苦笑)。でも、最後の最後は、YouTubeで百戦錬磨の伊沢君が見事にまとめきってくれましたね。 https://twitter.com/quizlivech/status/974883171937402880 全国大会も苦労の連続でした。限られた予算、限られたリソースの中で、それなりのきちんとした放送を成立させるのは簡単ではありませんでした。特に当日まで音響面にリスクがあると人数を増員して挑み、ある程度うまくいったと思っていたものの、いざオンエアになった時にパソコン側の設定の問題で音が出なかったときは、顔が真っ青になりました。この点はスタッフの方々の工夫で何とかなり、本当に感謝しています。 また、出場者がニコニコ動画のコメント欄で誹謗中傷されることだけは本当に避けたくて、事前番組でもそのお願いをさせていただきましたが、無事大きな問題がなく終わって、本当に良かったです。クイズLIVEチャンネルさんの視聴者のモラルの高さと、応援してくださった皆さまに本当に助けられました。 最終的には視聴数2000超と、この手の番組としては相当がんばった数値を出すことができました。AQLとしては本動画で今後お金を頂く契約は結んでいませんが、最低限クイズLIVEチャンネルさんの赤字が解消されるよう、今後アーカイブのビュー数が伸びてほしいと考えております。これがうまく人気コンテンツになるようなら、今後CSやBS、地上波でのクイズ大会中継にもつながっていけばと思っています。 ――全国大会の放送も、無事成功してよかったです!今後のクイズ中継のきっかけになればいいですね! 最終回では、今後のAQLの展望についてお伺いします! 【文責:神野芳治】クイズに興味を持った方・初心者の方からベテランまで! ”やる”クイズ支援サイト